Trash:#270-#261


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そんな顔しないでよ
ほんとのしあわせって
明日の天気も
こびとサンの
どうせ同じ人生なら
天然の
何も考えない
ほてった顔を
0と1から成っている
知らない町並みを歩く

そんな顔しないでよ

 
そんな声出さないでよ
 
不安は伝染するんだよ
 
悪いけどわたしには
 
どうすればいいか
 
わからないんだよ
 

ほんとのしあわせって

 
夢みたいなものなんだろうな
 
ずっと夢をみていたいな
 
現実は魂をすり減らすような
 
そんなことばかりだよ
 
 
しあわせになりたいね
 
しあわせになってほしいね
 
それは夢を見せるってことなのかな
 
同じ夢を見るってことなのかな
 

明日の天気も

 
ドラマも
 
音楽も
 
事件も
 
世界情勢も
 
有名人の誰それも
 
何にも興味がわかない
 
テレビを買う気にならない
 
NHKの集金なんて来もしない
 

こびとサンの

 
ピコピコハンマーのおかげで
 
わたしの常識だの
 
世界観といったものが
 
音を立てて
 
崩れてゆきました
 

どうせ同じ人生なら

 
キリギリスの方が楽しそう
 
アリ的な生き方をしてる
 
今のわたしにはもううんざり
 
楽しみ方も忘れて
 
気晴らしもうまくできなくて
 
胃の痛みと眠れない夜と
 
消したくて消せない心配事
 
こんな毎日が続くなら
 
もういつ終わってもかまわない
 
あとでこまってもいいから
 
キリギリスになりたい
 

天然の

 
青色を見上げる
 
微妙なグラデーションと
 
明るさとあたたかさが
 
やさしく目に染み込む
 
 
次の季節の予感
 

何も考えない

 
ただその時を待つのみ
 
先のことはわからなくていい
 
どうせ思い通りにいかないなら
 
いっそのこと何も考えない
 
不安に思って
 
ほんとうにその不安が的中したら
 
あぁやっぱり って
 
さらにヘコむことになるだろう
 
だから何も考えない
 
考えない
 
もう考えない
 

ほてった顔を

 
夜風で冷まして
 
ひとり第二京浜を歩く
 
新しい日の訪れを
 
静かに待っている町並み
 
手の中の小さな光は
 
夜風に容易く弾けて消えて
 
暗闇の中ひとり
 
第二京浜を歩く
 

0と1から成っている

 
デジタルな世界は
 
どこか人を狂わせる
 
異様な力を持っていて
 
暗示にかかったら
 
もう動けない
 
 
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知らない町並みを歩く

 
わたしの知らない人ばかりがいる
 
わたしを知らない人ばかりがいる
 

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