Trash:#550-#541


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あなたはわたしの手を引いて
ぜんぶ
とりあえず
逆転は
迷子になっても
やってみる前から
今では遠い
何もできないことが
僕が君と出会ったのは
暗闇の中で

あなたはわたしの手を引いて

 
いったい何処へ行くのですか

そしてふと気が付いた時には

わたしの手を放してしまって

置き去りにするつもりですか

そうなる前にわたしの方から

手を放す自由はあるのですか


ぜんぶ

 
ほんとじゃないんだよ

しってた?


とりあえず

 
さらって行ってみて

着いてみないと

わからないの

そこが

行きたいところか

そうでないかどうか


逆転は

 
くり返される

そしてまた

壊れてゆく


迷子になっても

 
行き止まりでも

何とかなるって

思ってるはずなのに

はじめの一歩

ふみ出せずに

立ち止まったまま

動かないこの足を

持てあましているのです

道なき道をゆく

そのための勇気を

どうかわたしに

与えてください


やってみる前から

 
あきらめちゃうの

やめようよ

わたしに言ってんのよ


今では遠い

 
あの限られた時間

閉ざされた場所で

あの人は自分だけが

わたしにとっての

唯一の救いなのだと

知っていただろうか

わたしにどれだけ

信頼されていたか

気付いていただろうか

そしてわたしが

最後の時に見せた涙を

覚えているだろうか

 
あの頃のわたしは

もういないのです


何もできないことが

 
こんなにも

苦しく感じるのは

久しぶりのことだ

もがいている


僕が君と出会ったのは

 
桜が舞い散る春の午後

そんな小説の冒頭的な

ものじゃなかったよね

もっと何てことのない

普通な感じだったよね

きっかけは何だっけ?

もう思い出せないけど


暗闇の中で

 
夢を描こう

自分が描いたものに

絶望してしまわないように


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