Trash:#330-#321


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リスカとクスリは
あせってるけど
ぐるぐると
どこからかそっと
これからも
不意に襲う
ゆるすこと
あちこちに
皿洗いをしながら
あ〜

リスカとクスリは

 
どっちがより「ごっこ」かな
 
なんてことを考えて
 
酒を飲みながら
 
並べて見つめる
 
カッターとカプセル
 

あせってるけど

 
黙ってる
 
小さな不眠症を
 
かかえた夜
 
だけどもうすぐ
 
おしまいのしるし
 
ざわめきが冷たい
 
星はちぎられて
 
眠い景色に消えて
 
輝きだしたところから
 
青空ができる
 
沈んだ退屈に
 
目を細める
 

ぐるぐると

 
おちつかない
 
不安定な安心感
 
からまわりの日常
 
ゆがんだ視界に
 
泣きたくなる
 

どこからかそっと

 
聞こえてくる
 
切れぎれの
 
こもりうた
 
さんぽの途中で
 
空がくれた
 
ひとつの冷たい夢
 
切り離された
 
中途半端な
 
こなごなの気持ち
 

これからも

 
届かない
 
携帯電話の電波
 
それは 簡単なこと
 
さびしくなるのなら
 
はじめからいらない
 

不意に襲う

 
焦燥感
 
キモチ悪さ
 
足元が波打つ感じ
 
どうしようもない不安感
 
暗闇のむこうで
 
横たわって
 
待ちかまえている
 
正体不明の未来
 

ゆるすこと

 
ゆるされることに
 
不器用なんだ
 
線路をみつめる
 
揺れるまなざし
 
ふるえるような寒さ
 

あちこちに

 
ためらいがちに
 
影を落とされる地面
 
細く煙をあげる煙突
 
青葉の影から
 
見上げれば
 
誰かの住むマンション
 
つらい現実と奇跡の妄想
 
気付かないように進む
 
気付かれないように進む
 
信号機なんて無視して
 
この道のおしまいまで
 

皿洗いをしながら

 
眺めている
 
水の冷たさ
 
スイカ割り
 
したくなる
 

あ〜

 
ハンダ付けってホントに
 
楽しぃ〜
 
煙で気分悪くなるくらい
 
楽しぃ〜
 
手が勝手に作ってくれて
 
楽しぃ〜
 
何も考えなくていいから
 
楽しぃ〜
 
何かをしてる気になれて
 
楽しぃ〜
 

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